天候不順、物価高の中で農作物を安定供給するために農家ができる3つのこと!
2025/03/09
近年、みなさんご存じの通り異常気象による(もはや異常ではなく通常かも)天候不順が続き経営を圧迫しています。
私どもも例外なく危機的な局面に立たされております。
ですが、あまり悲観的にならず前を向いて何事にもチャレンジしていくのが私どものスタイルですのでこうした不安定な状況の中でも
『作物を安定供給』するために私たち農家ができることは何か?
3つの対策を考えてみました。
1.リスクを分散する
複数の作物、品種を組み合わせる
近年の天候不順は予測が難しく
「例年通り」では
通用しないことが増えています。
特定の作物に依存していると
天候不順が直撃したとき
に大打撃を受けてしまうため
リスク分散が重要です。
具体的な対策
①異なる生育条件の作物を組み合わせる
例えば、高温に強い作物と冷涼な
気候を好む作物を組み合わせる。
②収穫時期の異なる作物を作る
一度の天候不順ですべての作物が
影響を受けないように
早生、中生、晩生を組み合わせ
台風や長雨の影響を
回避できるように分散する
③耐候性の強い品種で分散する
干ばつに強い、湿害に強い
耐寒性や耐暑性のある品種など
極端な気象条件に耐えうる
品種の選定を行う
品種の数もかなりあるので
それぞれの特性を勉強する
努力が必要
2.土壌改善
異常気象に強い畑を作る
天候不順の影響を最小限に
抑えるためには作物の「根の張り」を
良くすることが重要です。
そのためには土壌の水はけや
保水力を向上させ
高ストレスに耐えれるように
畑のポテンシャルを上げることが
重要です。
具体的な対策
①有機物を投入し、土の保水力
排水性を向上させる
堆肥や緑肥を施用し、団粒構造を
改善することで
長雨でも水はけがよく、乾燥時には
水を保持できる土になる。
②根張りを強くするための栽培管理
深耕や心土破砕、緑肥作物の
栽培などを組み合わせ
根が深く張れる環境を整える。
③バイオスティミュラントの使用
ストレス耐性を高めるために
使用し、作物の生理機能を
向上させることで、収量や品質を
安定させる
※多種多様な資材があり中には
高価なものもある為
効果の把握、試験栽培後の導入を
お勧めします
3.資材コストの見直しと経営の効率化
物価高に対応する
肥料・燃料・資材費そして人件費の高騰が続く中、コストを抑えながらも品質を維持することが求められています。
そのためには、無駄を省き、賢く資材を調達する事がカギになります。
具体的な対策
①肥料コストの削減
既存の肥料、購入先にこだわらず
有機配合、有機肥料や
バイオスティミュラントも
含めた中で総合的にコスト削減を
図る
②作業工数の削減
トラクターでの耕耘作業の一部を
ロータリーからショートディスクへ
変更することで人件費および
動力光熱費を削減。
作業工数の大きい調製工程の設備
オペレーション等を見直し
作業員の熟練度の向上を図り
生産性を向上させる。
ドローンの導入も今後有効である。
③販売単価の見直しと販売先の分散
特定の販路に依存していると、
市場価格の変動や
取引停止のリスクが大きくなります。
そこで契約栽培や直販、EC販売を
含めた中で価格の安定と
リスク分散を両立することが重要。
まとめ 不安定な時代こそ柔軟性が重要
天候不順や物価高は一過性のもので
はなくこれがスタンダードに
なりつつあります。
農家としては『変化に対応できる力』を身につけることで
安定した農業経営が可能になります。
①複数の作物を組み合わせ、リスクを分散する
②畑の土壌管理を徹底し、異常気象に強い作物を育てる
③資材コスト、オペレーション、販売単
価、販路を総合的に見直し無駄を
省いて経営の効率化を図る
これらを意識することで、天候や物価の変動に負けない
農業を目指していきましょう