黒腐れ菌核腐敗病対策についてコスト削減の試み
2022/11/04
カナメフロアブルはアフェットフロアブルの代替品となりうるのか?
こんにちは。後藤です。
昨今の物価高騰によりほぼすべての資材が昨年より
上がっております。
そんな中でも新しいことにチャレンジしながら
コストも削減しようという事で。
以前、新規就農の話題の中で黒腐れ菌核腐敗病に
苦しんだという事をお話いたしました。
この病気は発病したら終わりなのでいかに
発病しないように防除するかが肝心です。
一般的には防除といってもいろいろあり病害虫や
雑草を防除する上ではIPMの実践が必要です。
(総合的病害虫・雑草管理)
①耕種的防除 :品種の選定であったり
排水対策など
②生物的防除:フェロモン剤や天敵昆虫の投入
有機物の施用など
③物理的防除:防虫ネットやマルチ
太陽熱熱消毒など
④科学的防除:農薬散布など
これら4つを適切に組み合わせることによって
病害虫による被害を抑えていきます。
さらに雑草管理においても
①耕種的方法
②機械的防除
③生物的防除
④物理的防除
⑤科学的防除
(細かい内容に関しては割愛します)
これらを組み合わせ環境に対する影響に配慮し
管理していきます。
就農当時は黒腐れ菌核腐敗病に対しては農薬による
防除がほぼ不可能といわれておりましたが
現在では予防剤としてかなり効果の高い薬剤が
ありますので、科学的防除が有効です。
白葱農家であればご存じの方も多いと思いますが
ご紹介させていただきます。
セイビアーフロアブル(私共は使っておりません)
そして今回試験していくカナメフロアブル、
最初の3つをうまくローテーションして防除
していくことでかなり発病を抑えられると思います。
今回の試験ではアフェットフロアブル(お高いです)
の代わりにカナメフロアブルを使うことにより
農薬コストを下げるのが目的でございます。
ですが、この2剤の有効性が同等であるという
前提のもとでなければ、いくら農薬コストが
下がっても意味がありません。
このカナメフロアブルが他の剤に比べどのくらいの
有効性があるのかというデータが調べてもあまりなく
それならばという事で、除草剤試験に引き続き
今回も身を切ることに致しました。
単年で判断するのは難しいですが、春頃には
何となく結果が出ると思いますのでまたブログで
報告したいと思います。
あくまでも科学的防除の一例ですので、有機物の施用
(私共は廃菌床堆肥を使っております)
やph調製など色々組み合わせて取り組むことが
重要と考えています。