農業を成長産業にするために出来ること!!
2025/03/16
農業を成長産業にするために
労働環境の整備が最優先
日本の農業は、長らく「特別な産業」として扱われ、他の産業と比べて労働環境の整備が後回しにされてきました。「農業は厳しいものだから」「昔からこうやってきた」という考えが根強く、労働時間が長いことや休日が少ないことが当たり前とされている現場も少なくありません。しかし、その結果として、農業は他の産業と比べて働き手が集まりにくく、担い手不足が深刻な問題となっています。
現在、日本の農業は高齢化と新規就農者の減少によって大きな転換期を迎えています。このままでは、農業を支える人材がいなくなり、国内の食料供給が不安定になる恐れがあります。一方で、近年はスマート農業の普及や、農産物の輸出拡大によって農業を成長産業にしようという動きも活発になってきました。しかし、どれだけ技術革新を進めても、人がいなければ農業は成り立ちません。農業を持続可能な産業とし、発展させていくためには、まず労働環境の整備が不可欠です。
農業は確かに天候や季節の影響を強く受けるため、他の業種とまったく同じ基準で労働環境を整備するのは難しい部分もあります。しかし、「農業だから仕方ない」と言い訳をして改善を怠ることは、結果的に業界の衰退を加速させることになります。今こそ、農業経営者一人ひとりが、従業員の働きやすい環境づくりに真剣に取り組むべき時ではないでしょうか。
産業化の鍵は「働きたい」と思える環境づくり
農業が本当の意味で産業として確立し、持続的に成長していくためには、「農業で働きたい」と思う人を増やすことが不可欠です。そのために、まずは以下のような点を意識し、労働環境を整備していく必要があります。
1. 適切な労働時間と休日の確保
農業は繁忙期と閑散期の差が大きいため、どうしても忙しい時期には労働時間が長くなりがちです。しかし、常に長時間労働が続く状態では、従業員の健康を損ない、離職率の上昇につながります。
まず、労働時間の管理を徹底し、無理のないシフトを組むことが重要です。特に、閑散期には積極的に休暇を取得できる仕組みを作ることで、年間を通じた労働のバランスを取ることができます。また、有給休暇の取得を推奨し、計画的に消化できるようにすることも大切です。「農業だから休めない」という考えを捨て、従業員がしっかり休息を取れる環境を整えることが、結果的に生産性の向上につながります。
2. 給与水準の引き上げと安定した雇用
農業の給与水準は、一般的に他の産業と比べて低い傾向にあります。さらに、季節雇用が多く、通年雇用が難しいという課題もあります。この状況では、「農業で働きたい」と思う人が増えないのも当然です。
農業経営者としては、市場価格の変動に左右されにくい経営基盤を作り、安定した給与を支払えるようにすることが求められます。そのためには、農産物の付加価値を高めたり、販路を多様化したりする工夫が必要です。また、通年雇用が難しい場合でも、オフシーズンに他の仕事を提供できるような仕組みを作ることで、従業員の生活を支えることができます。
3. 機械化やIT活用による労働負担の軽減
農業の仕事は、肉体的な負担が大きいことも課題の一つです。特に、中高年の労働者にとっては、重労働が原因で体を壊してしまうケースも少なくありません。そのため、機械化やIT技術を活用し、作業の負担を軽減することが重要です。
例えば、収穫や調製作業を自動化(もしくは半自動化)する機械を導入することで、作業時間を短縮し、従業員の負担を減らすことができます。また、農業用ドローンやセンサーを活用すれば、圃場管理の効率化が可能になり、より少ない労力で作業を進めることができます。これにより、労働時間の短縮だけでなく、生産性の向上にもつながります。
「農業だから仕方ない」を捨てる
農業が厳しい仕事であることは、皆さんご存じの通りで否定はしません。しかし、その「厳しさ」を理由に労働環境の改善を怠っていては、業界全体の衰退を招くことになります。特に、若い世代の労働者にとっては、「働きやすさ」や「ワークライフバランス」が重要な要素となっており、これを無視していては新しい担い手を確保することはできません。
農業が「きつい・汚い・危険(3K)」のままであれば、次世代の担い手は育ちません。今後、日本の農業を成長産業として発展させていくためには、まず労働環境を改善し、「農業は働きやすい職場である」と思われるようなイメージを作ることが重要です。
農業経営者一人ひとりが、労働環境の整備に真剣に向き合い、具体的な改善策を実施することが、日本の農業の未来を左右すると言っても過言ではありません。「農業だから仕方ない」という言い訳をやめ、「どうすればもっと働きやすくなるか」を考えつづけ、行動に移すことが求められています。
農業を成長産業にするために、今こそ労働環境の整備を進めるべき時です。労働者にとっても魅力的な職場を作ることが、農業の未来を切り開く鍵となるのではないでしょうか。