竜洋幼稚園園児と白葱収穫体験
2026/02/25
〜竜洋幼稚園 収穫体験を通して感じたこと〜
先日、磐田市とセブン‐イレブン・ジャパン様の包括連携協定の取り組みの一つとして、後藤農園の畑で竜洋幼稚園の園児たち、セブン‐イレブン様、磐田市職員の皆さんが一堂に会し、白葱の収穫体験を行いました。
後藤農園として「収穫体験」を受け入れるのは今回が初めての取り組み。段取りや安全面、動線の確保、天候のことなど、考えることは多く、正直なところ朝は少し緊張気味で畑に向かいました。
しかし、その緊張は園児たちの姿を見た瞬間に一気にほどけました。畑に到着した子どもたちは、最初こそ少し緊張した表情でしたが、緑の帽子をかぶって畑に入った瞬間から空気が変わります。長靴で土を踏みしめ、1本白葱を抜くたびに歓声が上がり、いつもの畑が一気に“にぎやかな現場”に変わりました。
「これがネギなの?」「おっきい!」「ぬけないよ〜!」
畑に響く声が、普段の作業中には聞こえない賑やかさを連れてきてくれました。
農業は天候や相場、病気や害虫、機械トラブルなど、常に緊張感のある仕事です。
同じ場所でも、今日は畑が“遊び場”のような空気に包まれていました。
実際の収穫体験では、白葱を引き抜くところから体験してもらいました。簡単そうに見えて意外と力が要る作業で、途中で折れてしまったり、葉っぱが折れてしまったり。
子どもたちは自分の手で土を掘り、白い軸が見えた瞬間に目を輝かせます。一本抜けた瞬間の表情は本当にいい顔で、「できた!」という成功体験が、そのまま胸に残っているように見えました。
普段、スーパーやコンビニで並ぶ野菜は、最初から“きれいな商品”として目に入ります。その前にある、土に埋まった姿や泥だらけの状態、人の手で引き抜かれる工程。
その一部でも体験してもらえたことは、生産者としてとても意味のある時間でした。
今回の取り組みは、磐田市、セブン‐イレブン様、浜松ベジタブル様、農協関係者、そして生産者である後藤農園など、多くの人が関わって成り立っています。
畑の中では、子どもたちの横で関係者の方々が一緒に腰を落とし、声をかけ、手を添える場面もありました。作る人がいて、運ぶ人がいて、加工・調理する人がいて、お店に並び、消費者のもとへ届く。
今日の光景は、その“つながり”が一枚の絵になった瞬間でした。畑に立つとどうしても視野が狭くなりがちですが、改めて“農業は一人じゃできない”と実感します。
収穫体験のあとは竜洋幼稚園へ移動。調理の現場では、温かい汁物が次々とよそわれ、会場にはいい香りが広がっていました。
その後、セブン‐イレブン様による食育紙芝居を子どもたちと一緒に楽しみました。食べものがどうやってできるのか、誰が関わっているのかが、子どもにもわかりやすく伝わる構成で、大人が聞いても学びの多い内容でした。
その後は、白葱おむすびと葱チャーシュースティックパンの試食。机を囲んで夢中で頬張る子どもたち、関係者の方々がスマホやタブレットでその様子を撮る光景。自分が作った白葱が使われている商品を、目の前で子どもたちが食べてくれる——この距離感は、想像以上に胸にきます。「おいしい!」「ネギ、たべれたよ!」という声は、生産者として何よりのご褒美でした。
白葱は決して“子どもウケのいい野菜”ではありません。それでも、こうして商品として形になり、実際に口にしてもらえること。その場に自分も立ち会えること。生産者としてのうれしさと同時に、「自分の作るものは誰かの体に入っていく」という責任を、改めて実感しました。
今回の収穫体験を通して、「消費者とふれあう場を、これからも大切にしたい」と強く感じました。
子どもたちの反応、関係者との会話、自分自身の価値観の再確認など、普段の作業だけでは得られないものが確かにありました。
今回の取り組みを実現してくださった磐田市の皆さま、セブン‐イレブン様、竜洋幼稚園の先生方、関係者の皆さまに、心から感謝します。生産者としてこうした場に関わらせていただけたことは、とてもありがたく、誇らしい経験でした。
農業は、作るところから始まり、多くの人の手を経て、ようやく誰かの口に届きます。その“途中”に自分がいるという実感を、今日は強く感じた一日でした。
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