「答えを出す」を、諦めなかったこと
2025/05/04
「答えを出す」を、諦めなかったこと
野良哲人☆農人クリエこと十亀が綴る 水ポテンシャル
あの光合成の探究からしばらくして、
私は“水”について、
また一つ、
大きな気づきを得る出来事に出会いました。
それは
「葉に水がありすぎても製品としては問題がある」
ということ。
栽培農家で働いていた時のエピソード。
■ 出荷トラブルが始まり
ある晩秋の朝、
収穫前のサラダセロリを確認していたときのこと。
葉がいつもよりしっとりと濡れているのに気がついた。
「朝露かな?」
と最初は軽く考えていたけれど、
様子が明らかに違っていた。
葉の内側に水が溜まっているような見た目。
うっすらと透明感すらあり、
表面に水滴がついているわけではないのに、
葉全体がじんわり湿っているような違和感があった。
それでもそのときは
「まぁ大丈夫だろう」
と安易に判断し、
そのまま調整し出荷しました。
ところが――
取引先の店舗から葉が蕩けるクレーム。
その日出荷したすべてが返品対象となってしまった。
その事実を知らされたとき、
私は心底焦った。
「これはなんとかしなければ」
すぐに原因を探ろうと、
ネットを調べ、
図書館に足を運び、
関連しそうなキーワードを片っ端から追いかけていきました。
■ 試行錯誤の日々
でも、
これだという答えにはなかなかたどり着けなかった。
「なぜ葉に水が溜まるのか?」
いくつもの仮説を立てて、
手探りで対策を試した。
まずは乾燥させようと
ボイラーの風を当てたり、
大型換気扇と循環扇を連動させて空気の流れをつくったり、
サイドを巻き上げて湿気がこもらないようにしたり、
(夜温が下がるけど背に腹はかえられず( ;∀;)
収穫時間を遅らせてみたり…
いろいろ試したけれど、
決定的な改善にはならなかった。
■ 最後にたどりついた答え
最終的に行きついたのは、
**“根から水を吸わせなければいいのでは?”**
というシンプルな発想だった。
これがよかった。
収穫前夜、
発泡パネルごとセロリをベッドから引き上げ、
一晩かけて水を吸わせないようにする。
さらに、
逆さにしてセロリが曲がらないように工夫しながら、
葉に水がたまりにくい状態にした。
翌朝みてみると、
葉の透明感はほとんど気にならなくなっていて、
しっとり感も大幅に軽減。
そのまま出荷しても、
店頭での葉の“蕩け”は起きることはなかった。
■ 手探りの現場で、私は育てられている
このときの経験は、
今でも忘れられない。
誰も答えをくれる人がいない中で、
**「現場の異変に気づく」こと、
そして「自分で原因を突き止め、動くこと」**
の大切さを学んだ。
出荷量の見込みがズレれば、
取引先を待たせてしまう。
腐らせてしまえば、損失が出る。
私だけの責任ではないこと。
失敗を失敗で終わらせない覚悟。
ひとつが、今の私をつくっている。
「植物のサインを見逃さないようにしよう」
そう思った原点のひとつが、
あのサラダセロリの一件だったのかもしれない。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。
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